リナ・ボ・バルディ

160404
 映画や写真集なんかを見て、ああこんな家に憧れるなとか、こんな部屋がいいななんて夢をふくらませることはないだろうか。
 僕はよくある。
 例えば、昨年乃木坂のギャラリーで見たTYINというグループの手掛ける住宅は木の使い方等がすごくかっこ良くて、こうゆう家を建てて片田舎で暮らすのも悪く無いなあなんて思ったりした。
それから外国の映画を見ると、やはり部屋の使い方が上手だ。特に照明のセンスは抜群で、所詮日本人にはあの感覚は身につかないんじゃないかと落ち込むことまである。
 もう終わっちゃったけど、つい最近までブラジルの建築家リナ・ボ・バルディの展覧会が神宮前のワタリウム美術館でやっていた。
この人の設計する住宅は部屋の内にも外にも好みの植物をワッサワッサと野性的に配しているのが特徴。(わかっているだけで、タマシダ、ネオレゲリア、オオインコアナナス、モンステラ等の熱帯植物だ。)
 その建築家自邸の広いリビングでは形がいびつな水色のタイルが床に敷き詰められ、その上にはスチールレバーに革張りされた椅子が6~8脚、細長い木製のローテーブルがある。いかにもブラジルらしいリラックス感にモダンなデザインが溶け込んでいる感覚にしびれてしまった。
見ているだけで、羨望とも諦めともつかぬ感情が湧いてくるのだ。
賃貸アパート暮らしの僕には夢のまた夢。せめて、少しでもこのセンスを見習って植物を買ってきてそれを窓辺に並べてみた。