冒頭こんな言葉から始まる。 Anybody who talks about California hedonism has never spent a Christmas in Sacramento. (カリフォルニアの快楽主義について語る人は誰も皆サクラメントのクリスマスを経験したことがない。) もっと読む…
アメリカ映画にはいわゆる「ホワイト・トラッシュもの」というジャンルがあるようだ。ニューヨークやロスのように世界に開かれた大都会とは別次元の村社会が合衆国の中にはあって、南部や中西部ののどかな田舎街が舞台だったりして、美しい風景とは逆に、良くも悪くも独特のしきたりに支配されていたりする。 映画「スリー・ビルボード」はアメリカのミズーリ州エビングという架空の街が舞台。ミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)という肝っ玉母さんが主人公だ。半年前に彼女は何者かに娘を酷い仕打ちで殺害された。その悲しみや憎しみは決して癒えることはない。いつまでたっても解決しない事件に街の警察が無力であることに憤り、田舎道沿いの3つの巨大な広告看板を1年契約で買い取ってある作戦に出る。すなわち看板に RAPED WHILE DYING(娘はレイプされて殺された) AND STILL NO ARRESTS?(なにの犯人はまだ捕まってないの?) HOW COME, CHIEF WILLOUGHBY?(何やってるのウィロビー警察署長?) このようにデカデカと掲げて地元の警察署長を名指しで攻撃して注目を換気しようとしたのだ。 もっと読む…