崩壊

160210
 大きな体躯に少年らしい笑顔があった。こどもの頃から清原を応援していたので、覚醒剤事件では少なからずショックを受けた。
 原因が本人自身にあるのはもちろんだが、今まで生きてきた道のりを振り返ると、どこかの時点で自らのコントロールに失敗して、うまくやれなかったんだなという感じがして、そう思うとどうしても不憫でならない。

 覚せい剤なんて映画の中の世界だったが、今回のことで、案外身近にあって、人の良さそう顔して近づいてくるのかもなと、ふと思った。

 誤解を恐れずに言わせてもらいたい。
 人間覚せい剤を選ぶ自由だってあると思う。(ここでは法律という枠組みは無視しよう)
ただ僕の場合、「それは断る」という意志が勝っているし、もしヤバイと思ったらダッシュして逃げるという方法も準備している。そして変な言い方だけど、一度も体験せずに生きてきたことは幸いだ。

 程度の差こそあれ、人間落ち込んだり、精神的に参ってしまうことは誰でもある。あるいは、気分が高揚して、さらなる高みを求めてしまう興味本気な人もいるだろう。
しかし、自分の意志で判断出来るのはせいぜいここまでなのだ。
 聞いた話では、覚せい剤中毒というのは一度脳が覚えてしまうと、自らの意志でブレーキをかけることができなくなってしまう疾患だそうな。
 自由意志の崩壊だ。